三味線用譜面(文化譜)の更新履歴

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曲弾き自分史。

自分の曲弾きについての昔話をひとつ。

まだ師匠と出会う前のお話ですけどね。
買った教則ビデオで、曲弾き編みたいのがあったんです。
なんとご丁寧に譜面つき。
始めはこんなもの人間が弾けるわけが無いと思いつつ、それでも見よう見まね、試行錯誤、何ヶ月にも及ぶ練習の結果、なんとかたどたどしく弾けるようになったわけです。

そうすると、その曲弾きだけではなんか、ねぇってことで。
次に手を出したのが耳コピー。
やったのは、上妻宏光さんのじょんがら節。
まぁ、始めは何のことだかさっぱりわかりませんでしたよ。
そのままだと早くてとってもコピーできないので、パソコンで半分のスピードにして、一つ一つを譜面に起こして、それをコピー。

そんなことをしていくうちに、なんとなく、いろんな人の曲弾きの構成が似ていることに気づきます。
なるほど、こういう風に組み立てれば、それなりに聴けるようになるんだなと。

それからは、ビデオの曲弾きと上妻さんの曲弾き、それにCDで聴いて覚えたような曲弾きを組み合わせてやってみたり。
さらに、師匠のところに行くようになってからは、撥打ちやら、違う曲をやってるさなかでも、師匠及び若師匠の手を盗み、簡略化して取り込んだり。
さらには、師匠の師匠の曲弾きの手を盗んだり。

まぁ、全部の曲弾きについて言えることですけど、きちんと撥打ちが出来てないと、曲弾きは聴けたものではありませんね。
撥打ちといっても、打ち方はもちろん大事なんですが、「前・すくい前・後・後」の刻みを無意識にできるくらいじゃないと、厳しいかもしれませんね。
逆に言えば、その四つの刻みが出来てれば、どんなことをやってもほどほど聴ける曲弾きになるんですよね。

要するに、出来ないながらもリズムを意識して、毎日練習することが大事なのかなと。
弾き込みと聴き込み、これが曲弾き上達の近道だと思われます。

もちろん自分もまだまだ練習が足りません。
人より多く弾けば、人がうまくなるより早くうまくなれる可能性が増えると思ってます。
一歩でも二歩でもリード、若しくは追いつけるよう、ひたすら努力していきたいところです。
初めのうちは、ひたすら撥打ちを教えてもらっておりました。
ずっと自己流でやっていたので、そこから撥の持ち方を変えたりするのはホントに大変でしたね。
動画を見たり、見よう見まねでひたすら一見無理な角度にみえる撥打ちを練習してました。
今でももちろん撥打ちの練習は欠かしておりません。

曲も、当初は教えてもらってましたねぇ。
とはいっても、六段はビデオで覚えていたので手直し程度でした。
その他童謡とかは音を追って独学でしたし、他の人が習っているのを録音して曲を覚えたりしてました。


ここで、ある変化がありました。
当初、三味線はただ弾ければいいとか、曲弾きができればいいと思っていました。
が、出演を重ねていき、どんな曲でも唄付けができる師匠を見ていくにつれて、自分もこんな風になりたいなと思い始めました。

ですが、自分ももちろん民謡なんてまったく知らないところから始めましたので、なんとかうまくなる方法を考えたのです。
そのためには、まず唄を知ることが大事だと思い、CDを買いあさって曲を聴き始めました。
もちろん車内で聴く音楽は、全部民謡になりました。
課題曲があれば、その曲を聴きながら寝ることもしばしば。
エレキ三味線の音量を消して、自分なりにCDの曲に伴奏をしたり。
民謡の舞台があれば、足を伸ばしてみたり。
録音機を購入して、出演を録音してみたり。

それなりに努力しなきゃ、うまくなれるはず無いですよね。特に唄付けは。


しかしまぁ、いつの間にかすっかり民謡大好きになっていましたね。

イッツァ師匠マジック。

きっかけ。

とっかかりは、地元の祭のお囃子です。
笛、太鼓はとりあえずできたことだし、三味線でもやってみるかと始めてみたのが、19歳くらいでしたか。
もちろんそのころは、糸の押さえ方は指の腹でびろっと押さえる程度、撥の持ち方もきわめて適当、しかもそれほど興味も無く、音合わせなんてごく適当に、ただでろでろとやっておりました。
練習も、当日1ヶ月くらい前からちょこっとやり始める程度で。
ですので、この時期は三味線歴にカウントしてませんですの。おほほ。

初めて3年目くらいでしたか、町内のとある問題児が、俺の三味線を踏みつけ、壊しやがったのです。
んで、新しい三味線を買おうということになったんですが、どうせ買うならエレキ三味線とかあれば、目立つんじゃないかしらとの安易な発想の元、インターネットを検索しまして、そこでみつけた三味線かとうさん。
まさか、のちのちまで小物を購入し続ける付き合いになろうとは…(^^;

ホームページ内を見ると、ほほう、津軽三味線で使われる太棹で地元の祭に参加すれば、なおさら目立つんじゃないかしら。ついでに津軽三味線なんてこの辺でやってる人はいないだろうから、いいんじゃないかしら。
な~んてことを思い、値段を見てみると、うひゃ、200,000円オーバー!!

今となっては動じないほど金銭感覚が麻痺してますが、当時の純粋な自分はたいそうびっくりしましたよ。
んで、おそるおそる注文し、ついでに譜面やら津軽三味線の教則ビデオみたいなのも買い込み、すっかり練習にいそしんでたわけです。初期は1日5時間とかやってましたね。

そんな生活が1年くらい続いたある日、知り合いの方が、「なんか隣町に津軽三味線弾く人がいるぞ、行ってみるか?」との事で連れて行ってもらったのが今の師匠のところです。
いやいや、びっくりしましたよ。まさかこの辺で津軽三味線やってる人がいるなんて。
しかも、聴いたことある曲やってるし(六段)。
話を聴くと、教則ビデオの先生もなんだか師匠のお知り合いだそうですし…名刺みせていただきました(^^;

さらに驚いたのは、若師匠の前撥の音。
ぴちっ、ぴちって。
うお~、ビデオで聴いたことある音だ~。
ってことで、「来週から練習来てみる?」「はい。」

ここから、俺の半奴隷生活が始まったわけです(^^)
唄付けって、難しいです。

 
最近の若手に多いそうですが、いくら津軽三味線の曲弾きが出来ても、唄付けが出来ない人って結構いるみたいです。
確かに曲弾きは自分のペースで、自分のやりたいようにやれます。が、唄付けは、唄い手さんがメインの伴奏ですので三味線が全面に出ては良くない様な気がします。
 
さらに、津軽民謡によく見られるのですが、唄い手さんが節を替えて唄うことがあり、それについて(というかリードして)行かなければならないと言うこと...
 
合いの手というかかけ声も重要ですね。唄い手さんの息継ぎの間、そこに的確に声をかけてやれば、唄も良くなると思います。ただその間がまた難しい...唄い手さんによって息継ぎのタイミングが違うんですねぇ...
 

もちろん曲弾きも有る程度は出来るようになりたいですが、リクエストが有れば何でも出来る、唄付けのうまい奏者になりたいなあと思った豪雪地の26歳です。

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